「チーム」的転回
TypeEpochYear2021-2022MemberMotoi Sadakane, Kokoro Kagawa
Project Sprintのリリース版であるv2.0から次のメジャーアップデートであるv3.0への変化の背景には、プロジェクトを、チームの外部から設計された「モノ」としてではなく、チーム内部から立ち上がり変化とともに生成されるプロセスとして捉えるという転回(パラダイムの転換)があった。これによりProject Sprintは、プロジェクトの成果や構造を外から決めるのではなく、チームという現場の視点から絶えず捉え直し再定義していくというアプローチに移行した。
従来的には、プロジェクトは静的に定義され、チームはその実行者とされてきた。しかし実際の現場では、プロジェクトの目的や方向性が途中で変わることが頻発し、チームがそれに対応・再構成する場面が目立っている。その原因としては以下が挙げられる:
結果として、プロジェクトを所与とする既存モデルでは現実に追いつかなくなっていた。そこで、プロジェクトの定義を見直し、チームからプロジェクトを構想するという方法論に大きく舵が切られた。このようにチームメンバーによるゴールのアップデートや立ち上げのプロセスが方法論に組み込まれたことにより、現場に即した柔軟な運用が可能となった。この大きな考え方の転換は、ver3へのメジャーアップデートとして反映されている。
この「チーム」的転回は、プロジェクトとは何かという根本的な問いに、新たな側面から答えを与えている。プロジェクトは固定された目的を達成する構造物ではなく、チームの関係性と実践の中で常に変化し、成長し続ける生成的な枠組みと捉え直された。この転回によって、さらに広範な状況に対応可能な、汎用性と現実適応性を兼ね備えたプロジェクト推進のメソッドが準備されたと言えるだろう。
当時の資料(v3.0アップデートの背景)