ハッカー文化の伝道師

A Project Theory Probe Journal Series

Type Article SeriesYear2023-2024Project Project Theory ProbeHaruma Kikuchi

「ハッカー文化の伝道師」は菊地玄摩により2023年10月〜2024年9月に執筆された全12回の連載である。プログラマー達がその活動のために生み出した独自のマナーを「ハッカー文化」と呼び、ビジネスとハッカーの緊張関係を通奏低音としながら、その価値を伝える12名の語り手を通じてそれを垣間見る糸口を提供している。

2000年代に熱狂と共に広まったアジャイル原則は、2010年代に形骸化という失望を経て、2020年代に原点回帰が叫ばれている。ソフトウェアは、環境に適合すべく技術と原則を下地として自ら発展することを要請する一方で、人の身体や精神という自然と親和的に振る舞わなければ機能できない。この「ゲーム」を司るハッカーは本質的な複雑性と向き合いながらイノベーションを駆動している「創る者」であり、だからこそ彼らは、静謐で安全かつ楽しむことによって成功するような現場を求めるのである。