エクスプローラー・ツアー 6月回
エクスプローラー・ツアーは、コパイロツトメンバーが開拓した新たな視点や経験を結晶化(ZIP)したもの(マテリアル)を、鑑賞しながら語り合う社内イベントである。2026年6月には、過去10年間を6回シリーズで振り返る第3回が開催され、2014年から2017年頃を対象とした探求活動のツアーが行われた。
この2014〜2017年は、コパイロツトが受託の「ディレクション」から「プロジェクトマネジメント」へと軸足を移し、メタな視点からプロジェクトの「見取り図」を獲得しはじめた萌芽期として位置づけられた。2013年までの成果物ベースの業務請負契約が、2015年以降は人月単価×稼働率の準委任型契約へと移行し、タグラインも「Good Team Building & Project Management」へと変更された時期である。その背景としてWeb制作以外の案件の増加と、それに伴って「プロジェクトマネジメント」と呼ぶしかない業務領域を扱うようになったことが挙げられる。それと同時にベストプラクティスを蓄積する「ナレッジマネジメント」の必要性が意識されたこと、納品ではなく成果を目指すなかでゴール自体をステークホルダーたちの間で合意形成する「コンセンサス」が重視されるようになった点が、この時期の特徴として整理された。
この時期には、多くの探求が開始されコンビルプロジェクトが開始された。コンビルはPJゴール・中間ゴール・MTGゴール・議題のゴールというゴール階層と、プロジェクト設計/MTGユニット設計/アジェンダ設計のフォーマット、その運用法(会議術)からなり、のちのProject SprintやSuperGoodMeetingsの原型となった。また、KMOが立ち上がり知識創造理論を下敷きとしたナレッジの創出・循環が目指された。さらにスクラムやリーン、デザイン・スプリントへの共感など、製造業・ソフトウェア開発を含めた他業界の実践知を積極的に取り込む姿勢も見られた。
議論では、この時期を単に「プロジェクトマネジメントが始まった」と見るのではなく、すでに現在に至る萌芽が生まれていることが強調された。タスク管理ではなくコンセンサスという着想は比較的ユニークではあるが、請負型から準委任で正解を模索しながら成果を出すような案件が増えたこと、プロジェクトリーダー支援にあたり彼らが最も悩むのが「合意」であることを踏まえれば、自然な帰結だったと考えられる。こうした伴走型のスタンスは「コパイロツト(副操縦士)」という社名にすでに現れているように、創業時から共有されていた可能性も示唆された。こうした姿勢は、作業療法のように相手の環境に寄り添って自律的に機能できるよう支える「ケア」と通ずるところがある。当時から「プロマネ」という言葉ではコパイロツトの提供価値を伝えきれなかったことが回想され、AI時代に突入しつつある現在も、どのように世の中のトップダウン型のプロマネと差別化しつつ分かりやすく伝えていけるのかという課題は形を変えて残っていることが指摘された。